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宝塚歌劇団元脚本演出家上田久美子によるパワハラ

エンタメ

宝塚歌劇団の投身自殺での劇団側の対応が問題となっていますが、元宝塚歌劇団所属の演出家上田久美子氏によるパワハラも2023年11月8日の文春オンラインで明らかになりました。

訴えを起こしたのは、上田久美子氏によるパワハラでうつ病を発症しその後退社した元演出家助手。

ここでも劇団の隠蔽がありました。

宝塚歌劇団元脚本演出家 上田久美子プロフィール

宝塚歌劇団には、16年間在籍し、「星逢一夜」や「月雲の皇子」など、数々の脚本演出を手がけ、上田久美子ファンも数多くいる実力派です。

上田久美子氏2020年京都大学インタビュー時の写真
2020年京都大学インタビュー時の写真、まだ宝塚歌劇団の演出家として活躍している頃

生年月日:1979年4月12日(44歳)
出身地:奈良県天理市
最終学歴:2004年京都大学文学部フランス文学専修卒業
宝塚歌劇団入団:2006年 演出家助手として入団
退団:2022年3月

2013年、月組バウホール公演『月雲の皇子 -衣通姫伝説より-』で演出家デビュー
2015年、雪組公演『星逢一夜』で大劇場演出デビューで、第23回読売演劇大賞・優秀演出家賞も受賞。

大学は2004年卒業ということですが、ストレートに進級していれば2002年卒業のはずなので、浪人か留年、もしくは留学などをしていたということでしょうか。

大学卒業後、宝塚歌劇団に入社する前には、2年間製薬会社務めをしています。

演出家デビューは、2013年で入社後7年なので、順調にキャリアを重ねていますね。しかもデビュー作の「月雲の皇子」は当初バウホール公演のみでしたが、好評で天王洲銀河劇場にて東上再演されたほどです。
宝塚では「上田久美子ファン」も多く、作品の評価も高い新進気鋭の売れっ子。

ほかにも「翼ある人びと」「神々の土地」「桜嵐記」「金色の砂漠」など多くの演出を手がけいて、再演を望む声も多くあリ、脚本演出家としての実力は確かなものでした。

上田久美子氏宝塚退団を惜しむファンの声とパワハラ疑惑の声

2022年の退団時は上田久美子ファンからも惜しむ声が寄せられました。

出典 X
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出典 X

一方で、文春によるパワハラの記事を受けて、それに納得するようなファンの声もありました。

ファンとして見続けているからこそ、パワハラを思わせるような言動も多くみてきたんですね。

出典 X

上田久美子氏は宝塚時代もサイコパスと呼ばれていた

今回の文春記事では、元助手のAさんが上田久美子氏について語っています。

元助手のAさんは、2016年4月に演出家助手として宝塚歌劇団に入団。

しかし、上田久美子氏のハラスメントに苦しめれ、また2徹からの朝8時退勤という長時間労働により、2018年1月にうつ病を発症。

それまでにも上田久美子氏のハラスメントをプロデューサーに訴えてきましたが、真剣にとりあってもらえなかったそうです。

上田久美子氏は売れっ子ながら、スタッフには息をするように暴言を吐く面があり、劇団員からも「サイコパス」とよばれていました。

また、現役の生徒が加入するタカラジェンヌの労働組合的存在の「女子会」の総会でも、上田久美子氏のパワハラは議題になっていて、そのことは劇団側にも伝わっていましたが、劇団もきちんとした調査は行わなかったということです。

Aさんが担当する3つの公演のうちの1つが上田氏の演出だった。上田氏は、楽曲の音源などについて、LINEで大量の指示を出し、Aさんが少しでもミスをすれば、詰問調で叱り続けた。
〈4小節の後の音量は自分で聞いてみてあれでいいと思ったの? 小さすぎて興ざめになると思わない?〉
〈私が生徒ならそんな演出助手も、その人が演出家になるのもイヤ〉
 別の公演の本番中や休日にも、上田氏からの連絡はやまず、Aさんに心休まる日はなかった。
「私、年明けには死んでいますよ」
 Aさんはプロデューサーにそう訴えたが、真剣に取り合ってもらえなかったという。そして18年1月、ついにうつ病を発症。
 それでもAさんは再び這い上がろうとした。3カ月間の休職を経て、もう一度劇団に戻ってきたのだ。
 ところが、演出家たちに復帰の挨拶をすると、
「どの面下げて戻ってきたの。向いてないから、やめた方がいいんじゃない」
 心無い言葉が上田氏から返ってきた。こうしたハラスメントを目の当たりにした企画室長はAさんにこう言葉をかけたという。
「企業は弱い方を守るよ。ただ、強い人は強いから、どこまで守れるか……」
 実はこの時期、現役タカラジェンヌたちからも「もう上田先生とは一緒に仕事したくない」という声が噴出し始めていたという。

上記の演出指導については、上田久美子氏自身のプロ意識が高い故、ともいえないこともないのですが、やはり復帰した際のコメントをみると一般的な人が持つような思いやりというものは感じられませんね。

きっとそのような言動が常日頃からあったため、生徒からもサイコパスと呼ばれていたのではないでしょうか。

Aさんは復帰後も原因不明の高熱に襲われ、心身ともに限界に達し、2018年12月には失意のうちに退団することに。

一方、上田久美子氏は理事長からの口頭注意のみということでした。

上田久美子の退団はハラスメントが原因?

その後、2022年4月には上田久美子氏自身も宝塚歌劇団退団しました。

その理由は、「結婚」や「宝塚歌劇団に所属するなかでの限界」「本人のパワハラで劇団にいることができなくなった」など色々な憶測がありました。

2022年には文化庁の海外研修で1年フランスに行くことが決まり現在も留学中のようなので、さらなるキャリアアップとしての退団だった、という結論に落ち着いていました。

ところが今回の文春記事をみてもわかるように、生徒からも「もう上田先生とは一緒に仕事したくない」という声が噴出し、元助手もパワハラについて劇団を訴え慰謝料請求を行っていた、ということです。

上田久美子氏自身が劇団のなかで居場所をなくしていった、ということではないでしょうか。

Aさんは退団1年後、2020年に精神的苦痛を受けたとして、劇団に慰謝料請求を行い、劇団は本人に口外しないことを約束に500万円の見舞金を支払っていて、劇団側としても痛手だったと思います。

「法廷で宝塚のブラック労働の実態を明らかにする構えでしたが、劇団は即座に謝罪するとともに約500万円の見舞金を払った。これは演出助手3年目の年収の2倍近い額です。和解合意書で、劇団は2度とハラスメント案件が発生しないよう安全配慮義務を尽くすと誓約。また、劇団の求めで第三者に口外しない条項も入った。ただ、その後、劇団が実行した“働き方改革”といえば、演出助手の出退勤の管理にタイムカードを導入したことぐらいでした」

元星組トップスター紅くれないゆずるさんもパワハラの被害を受けていた

2019年1月、トップスター紅ゆずるさんの星組公演『霧深きエルベのほとり』で、上田久美子氏が演出を手がけました。

「霧深きエルベのほとり」ポスター
出典 宝塚歌劇団HP 「霧深きエルベのほとり」ポスター。演出に上田久美子氏の名前もあります

『霧深きエルベのほとり』は1963年に月組で初演されて以来、何度も再演されている名作です。

再演だからといって、前作までのお芝居をただなぞって真似るようなことをすることはなく、演者ごとの解釈やその演者の個性によって、新たなキャラクターが出来上がるものです。

ですが、紅ゆずるへの上田久美子氏の指導は「過去に同じ役を演じた順みつきさんを真似ろ」という内容で、とても屈辱的だったのではないでしょうか。

「演出家によるダメ出しは大部屋(楽屋)前で行うのですが、上田は連日公演後に生徒以外立ち入り禁止の大部屋に押しかけ、ある時は16時から22時まで延々と紅にダメ出しを行ったのです。『(過去に同じ役を演じた)順みつきさんの真似をしろ』と、彼女のプライドを踏みにじるような発言を繰り返した。事態を重くみた劇団は、次の東京公演から上田を稽古場出禁にした」

元星組トップスター紅くれないゆずるプロフィール

タカラヅカスカイステージ番組出演時の画像紅ゆずるの写真
タカラヅカスカイステージ番組出演時の画像。紅ゆずるのトップお披露目公演時

名前:紅 ゆずる(くれない ゆずる)
本名:松本紗由美(まつもとさゆみ)
生年月日:1982年8月17日(2023年現在41歳)
出身:大阪府大阪市
身長:173cm
デビュー作:2002年4月「プラハの春/LUCKY STAR!(星組公演)」
愛称:さゆみ、さゆちゃん、ゆずるん、べに子
退団:2019年10月
現在:(株)松竹エンタテインメント所属

入団時の成績は48人中47番目とほぼ最下位の順位で、入団後は役のつかない時期が続きました。

2008年「THE SCARLET PIMPERNEL」の新人公演最終学年となる入団7年目で、新人公演初主演は、ラストチャンスでの抜擢。

その後2011年にはバウホール・東上公演「メイちゃんの執事」で初主演、2012年「ジャン・ルイ・ファージョン」で2度目の主演。

その後も全国ツアーや東上公演など次々に主演をこなして、2016年11月21日付で星組トップスターに就任しました。

トーク力、アドリブ力も宝塚随一といわれてきており、 コミカルな役からシリアスな役まで、なんでもこなせるのが魅力のタカラジェンヌでした。

コメディセンスにもあふれていて、紅5(くれないふぁいぶ)という紅ゆずるをメインとしたユニットを星組で結成。

もともと、宝塚歌劇団雪組の男役で結成された「AQUA5(アクアファイブ)」のポスターを見た紅ゆずるが「紅5(くれないファイブ)って良くない?」とその場にいた下級生に話したことが始まりのパロディユニットです。

ほかメンバーは、美弥るりか(みやるりか)さん、壱城あずさ(いちじょうあずさ)さん、如月蓮(きづきれん)さん、天寿光希(てんじゅみつき)さんと錚々たる男役スターでした。

宝塚歌劇団の公認ではなかったものの、CS番組にも取り上げられてから、2011年12月にはコンサートも行うほどで、人気とともに統率力、牽引力もあるスターでした。

まとめ

紅ゆずるは、個性的な演技やコミカルさに強いトップスターだったので、上田久美子氏のイメージの「霧深きエルベのほとり」の主人公カール・シュナイダーとは合わなかったのかもしれませんね。

SNSには、上田久美子氏を擁護するコメントもありました。

出典 X

ただ、2023年のNHK番組「新春・宝塚スペシャル 星組公演『ジャガービート』の放送で、紅ゆずるさんが解説として出演したときのこと。

NHK「新春・宝塚スペシャル 星組公演『ジャガービート』」で紅ゆずるがゲスト出演
NHK「新春・宝塚スペシャル 星組公演『ジャガービート』」で紅ゆずるがゲスト出演したときのようす

ジャガービートは演出家の齋藤吉正氏による作品でしたが、そのときの紅ゆずるさんは齋藤 吉正氏のことを次のように話していました。

「君、頑張ってるからここやってごらん」って言ってくださる先生なんですよ。なので、私は、すごくあったかい気持ちになりますね」

きっとそうではない演出家がいるからこその発言であり、今回の文春記事と照らし合わせると、どうしても上田久美子氏を思い浮かべてしまします。

このとき劇団側が隠ぺいするだけではなく、きちんと改善活動を行っていたら、宙組の悲劇は起こらなかったのかもしれないですし、悲しい事件が二度と起こらないように取り組んで欲しいと思います。

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