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宝塚いじめ問題 元宙組・星組スター七海ひろきが語ったこと。その感想。

エンタメ

2023年秋におきた有愛きいさんの自死について、12月10日、元宝塚星組スターの七海ひろきさんがyoutubeで「今の私の思い」として動画を投稿しました。「宝塚をあきらめないで」とも語る七海ひろきさん。七海ひろきさんとはどんな人物か、宝塚で実際にいじめはあるのか?語った内容と感想をまとめました。

七海ひろきプロフィール

出典 https://www.fan-ds.com/7seasplus/

名前:七海 ひろき(ななみ ひろき)
本名:海津 久美子(かいづ くみこ)
生年月日:1984年1月16日(39歳 2023年時点)
出身:茨城県水戸市
身長:173.5cm
デビュー作:2003年4月「花の宝塚風土記/シニョール ドン・ファン(月組公演)」
愛称:カイ
退団:2019年3月
現在:アンドステアト所属

2001年高校2年の時に2度目の受験で宝塚音楽学校に入学。
2003年、宝塚歌劇団に89期生として入団。入団時の成績は39番。
同期には元花組トップスター明日海りお(あすみりお)さん、元雪組トップスターの望海風斗(のぞみふうと)さん、元星組トップ娘役夢咲ねね(ゆめさきねね)さん、ほかにも元月組スターの美弥るりか(みやるりか)さんや、元雪組スター蓮城まこと(れんじょうまこと)さんなど、多くのスターがいます。
89期は宝塚のなかでもスター性の高い人が多く、「美人の期」とも呼ばれています。七海ひろきさんも身長173.5cm、小顔ですらっとしたスタイルで舞台上でもひときわ華やかでした。

七海ひろきさんの芸名は、テレビアニメ「七つの海のティコ」が好きだったことに由来しているそうです。

七海ひろきさんの宙組時代、星組時代は?

出典 タカラヅカスカイステージ

2003年に宙組配属後、2009年、大和悠河(やまとゆうが)さん・陽月華(ひづきはな)さんトップコンビ退団公演の「薔薇に降る雨」で、入団6年目で新人公演初主演に抜擢
2013年「the WILD Meets the WILD」で、バウホール公演ダブル主演とスター路線を歩んでいます

2015年4月21日付で星組へと組替え。
星組では「ひろきのお兄様」と呼ばれるようになりました。
なぜ「お兄様」なのかというと星組の男役はオラオラ系が多く、娘役に優しく接する男役がいなかったようです。
宙組では娘役さんに優しく接するのがあたりまで、七海ひろきさんとしては普通に接していたようですが、娘役からはジェントルマンといわれ、お兄様と言われるようになりました。
七海ひろきさんの愛称は「カイ」ですが、当時星組には組替えしたときは海隼人(かいはやと)さんがいたため、「ひろきのお兄様」と呼ばれるようになったそうです。

このエピソードからも、現在いわれているような宙組上級生陰湿さはなく、男役上級生のやさしさが伝わってきます。

星組は男役3番手で卒業しています。

七海ひろきさんの現在の活動は?

宝塚歌劇団を卒業したOGは、男役で活躍していた人も髪を伸ばしたりスカートをはいたりと、女性の恰好に戻っていく人が多いなか、七海ひろきさんは、髪型、服装も現役時代のまま、中性的な立ち位置で男性の中でもひときわかっこいい男役の立ち位置で活躍しています。

そしてイケメンぶりにも拍車がかかっています。

出典 https://spice.eplus.jp/articles/257746

七海ひろきさんは声優としても活躍

『舞台 刀剣乱舞』の細川ガラシャ役をはじめ、『ヴィジュアルプリズン』のイヴ・ルイーズ役など人気作品のキャラクターを演じていて、声優としての知名度も上げつつあります。

少年役から青年役、女性役もと色々な声色を幅広く使い分けています。七海ひろきさんのイケメンボイスサンプルはこちら

12月10日、七海ひろきさんがyoutubeで語ったこと

ニュースサイトにも今回語った内容が要約され掲載されましたが、「時代に合わせ改革を」というタイトルは、今回のyoutubeのコメントを聞いた上では違和感を感じます。メディア取材という形ではなく、直接自分の言葉で気持ちを伝えたかったと最後に話していましたが、取材に応じるとやはり意図しない解釈をされることを恐れてということでしょうか。

出典 youtube

今回の内容を全文起こしてみました。個人的な主観が入らないようにそのままの言葉で、「間」もなるべくそのままいれるように心がけました。

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皆さんこんばんは。七海ひろきです。ご視聴いただきありがとうございます。
皆さんの時間を少しお借りして今宝塚について思っていることをお話したいと思います。
まず最初に亡くなられた生徒さん、そしてご遺族の方に心よりお悔やみ申し上げます。
ご遺族の気持ちは計り知れないですし、絶対に、おきてはいけない出来事でした。
思いをまとめてきたので失礼します。

私は宝塚歌劇団の宙組、星組に在籍していました。宙組にいたのはずいぶん前で今回のことを詳しく知らないのに、自分本位で思いを語るのはいかがなものかと思いますし、何かを語ることで、誰かが悲しんだり傷ついたり、誤解が生じないかと心配でした。でも宝塚は私の人生の半分、青春のすべてをささげてきた場所です。私のふるさとです。
無関係とは思えず、静観している方が自分としては苦しいので、何かできるわけでもなく自己満足ではありますが、私が思うことをお話させてください。
今から話すことは確信に迫る内容ではなく、あくまで私個人が感じていることです。
皆さんそれぞれがお持ちの考えを否定するものでも、自分の考えに賛同を求めるものでもありません。

タカラジェンヌは夢をお届けするお仕事です。アイドルやテーマパークなどお客様に夢をお見せするお仕事って、裏側や日常の姿などは夢が醒めてしまわないようベールに包まれていることが多いと思います。
宝塚には、特にすごく分厚いベールがあります。私もですが、在籍期間が長いほど、夢を守らねば、という使命みたいなものが沁みついていて、中身を赤裸々に語ることは避けてきました。
宝塚は、そのベールが分厚過ぎるので、向こう側とこちら側が遮断されていて、タイムスリップしているくらい、時代の感覚が異なる世界だと思っています。
時代や組によって、そのときどきで、ゆるいときも厳しいときもあるので、私がいたときとは違うかもしれませんが、宝塚は、いつの時代も、ずっと昔からどの組でも、一般常識以上のストイックな環境ではあります。

よくバラエティ番組などで、宝塚って軍隊みたいな規則があるんでしょ?とネタになりますし、上下関係や礼儀、受け継がれる伝統などの厳しいエピソードが、美談として語られていた時代もあったかと思います。
宝塚は、そういう特殊な風土のある、浮世離れした場所だと思っていた方も多いのではないでしょうか。
本当にその通りで、宝塚は浮世離れしていて、時代の変化についていくのが、難しい場所です。

たとえるなら、宝塚は華やかな竜宮城で、そこは外の世界から孤立していて、外からの情報が全く届きません。そこにいると浦島太郎のようになります。
私は退団して外の世界にきて、色々なお仕事をして、初めて知る一般常識がたくさんありました。
右も左も分からない10代のころから閉じた世界にいると、次第に感覚がかわって、耐えて頑張ろうと、その環境がそのときの普通になります。
私自身苦しいことがあったときには、自分が常識についていけてないんだと思っていました。
芸事などの芸能業が一般企業の労働とは全然違う世界で、どんな芸事もお仕事もプロとしてお客様にお金をいただいてご満足いただくには、並々ならぬ努力とストイックさが必要になりますし、安定と平穏とは、ほど遠い職業です。
私の場合は技術も低しい、覚えも悪いからいつもついていけず、人の何倍も頑張らないとダメで、いつも怒られていました。とてもじゃないけど、お客様にお届けできないレベルなんです。だから血の滲むような努力をしてようやくギリギリお見せできる状態になります。
足りていないので、自分のプライベートの時間を使って練習もします。
宝塚は、得意不得意がバラバラな人達が、必死に訓練して団結するエネルギーと、一糸乱れぬ極めた団体芸が大きな魅力の一つだと思います。
群舞やコーラスを70人全員が完璧にそろえるのは、一朝一夕にはできないし、大人数がステージの上で事故なく素早く移動するためには、普段から厳しい規律が必要なのだと教わってきました。
舞台でとっさの判断が必要な時に、意見が割れないよう、普段から上級生の意見は絶対、何かミスが起きても息をするように、瞬時に上級生の動きに合わせる。
そしてみんな一日中、365日、芸事と向き合って過ごします。

常識から外れているかもしれませんが、これらのすべてが悪いかと言うと、すごく難しいです。
ある程度のストイックさはどうしても必要だと思います。
でも外の世界では、すごい速度で時が進んでいき、色々な価値感や考え方が変わっていて、個人を尊重する時代になりました。

私は退団したときに本当に浦島太郎のような気持ちで、世の中の変わりように驚きました。

今の若い世代の方たちは、ネットで情報が何でも手に入るし、地頭もいいし、知識も豊富で、しかもちゃんと自分の意見があって、それを表明できる人が多い印象です。
きっと宝塚の若い世代も同じだと思うので、つまり、古いって気づいている人たちなわけです。

そんな彼女たちと長年在籍している人たちとでは全く別次元の価値観だと思うんです。私も現役時代は、これに耐えてこそのすばらしい舞台になるんだ、と思ってきました。
古い、変わるべきって発想できる環境ではないんです。
その上で今は、その若い生徒さんたちの割合が多くなっていると思うので、すごくいびつな状態になっているんじゃないかと想像しています。
宝塚のこの状況は、誰か特定の人が突然はじめたことではなくて、時代に合わせて変化できないまま年月が経ち、109年続いてきた宝塚の歴史の積み重ねによるものなんじゃないかと思っています。
私もその歴史をすごした一人です。その先で今回のような悲しい出来事が起きてしまい、とても心苦しいです。
時代に合わせて変わっても、宝塚の根幹の伝統はなくならないと私は思います。
宝塚は、変化に耐えられるタフな劇団だと、信じているからです。
外部だから簡単に言えるんだって、本当に自分でもそう思いますが、外部を経験しないと気付けないことだらけでした。
私は何か変えることのできる立場ではなく、浅はかな考えで何もできずに、本当にふがいないです。
宝塚では、辛いこと、苦しいことはたくさんありました。
でもそれ以上に、今こんなことをいうのは不謹慎かもしれませんが、素敵な仲間や作品と出会い、ファンの方々と出会い、楽しい思い出がたくさんあります。
109年続くだけのすばらしい魅力があるんです。

宝塚歌劇団の生徒でいたことを恥じず、誇りに思っていきたいです。
だから、宝塚が続いていくためにも、これからの生徒さんの未来のためにも、劇団が誠実に向き合って本気で改革に取り組んでくださることを、心から願っています。

昔のままで止まっている環境なので、時計をちゃんと動かして、令和の時を刻んでいっていただきたいです。
最後に、いち元宝塚の生徒としてお願いがあります。
今回のことで宝塚をはじめて知った方々からの厳しい意見をたくさん目にします。
起きてしまった出来事は深刻なので、そういう印象を持つのが自然ですし、私も宝塚に出会っていなければ、そう思っていたかもしれません。
ただ、せめて宝塚に出会って、いいところもたくさん知っていて、愛してくださっている皆さんだけは、今この瞬間も懸命に活動している現役の生徒さんたちに、どうか思いを寄せて欲しいです。皆さんからの応援は、かけがえのない希望になります。
状況は日々変わりますし、全ての人が納得することはなかなか難しいとは思いますが、それでもどうか、宝塚をあきらめないでください。
宝塚の未来を見守っていただきたいです。
長々とお話を聞いてくださって、ありがとうございました。
そして、嫌な思いをさせてしまった方がいたらごめんなさい。
最初にもお伝えしましたが、すべて私の個人的な感想です。
人の数だけ違いがあるのは当然ですし、どの意見も間違っていないと思います。
ファンの皆さんにお願いです。
私への批判的な意見が出るかもしれません。悲しい思いをさせてしまうけど、その意見を否定しないでいただきたいです。
そして、気持ちはすごく嬉しいけど、私の意見を過度に肯定したりもしないでください。お願いします。
メディア取材という形ではなく、直接自分の言葉で気持ちを伝えたかったので、この形式でお話させてただきました。
今、私が感じていることの全てです。
寒い日が続いているので、皆さん温かくしてお過ごしください。聞いてくださってありがとうございました。

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七海ひろきさんのyoutubeコメントを聞いた感想

とても客観的に、誠実に話そうとする様子が伝わってきましたが、それでも亡くなった有愛きいさんが最後には置き去りにされているように感じました。(そうでなかったらすみません、あくまで個人的な感想です)

規律やストイックさは大切なことだと思いますし、宝塚全体、どの組も脈々とその精神が受け継がれているのはさすが伝統ある宝塚なのだと思いますが、厳しさにも質があるので、質の悪い厳しさは一方的ないじめになり、それが「厳しさ」のなかにひとまとめにして正当化される、もしくは「厳しさ」自体もひとくくりに正当化されないのは、多様化以前の話で、昔も今も変わらずいかがなものかと思います。

今回のできごとが、古い体質と新しい価値観が相いれなかった、ということだと、有愛きいさんが若い価値観だからこそ合わなかった、と聞こえ、それでは有愛きいさんが「古い」と言われる価値観のなかで一生懸命頑張って耐えてきて、それでも限界がきてしまったのだとしたら、その頑張りすら蔑ろにされているのではないか、と思いました。
ただ、七海ひろきさんは、現役生やOGとも交流があるのだとしたら、やはり部外者よりは、なかでのそういった出来事を見聞きしているでしょうから、そのうえで若い人との価値観の違いの話が出てくるのであれば、やはりそういうことなのでしょうか、、。

睡眠を極度に削ったり、やりすぎな古い体質は改善していくべきこともあると思いますが、七海ひろきさんがいうように、一糸乱れぬ群舞にしていくためには理屈ではなく盲目的な上下関係も必要なこともあると思いますし、その徹底したストイックさで作り上げられたものだからこそ、ファンとしても感動して、それこそ盲目的に応援するようになっているような気がします。(この考えが古いでしょうか)

何が言いたいかというと、「ゆるいときも厳しいときもある」といっていたように、そもそも厳しさといじめは別物であり、古い体質にいじめが包含されているのではなく、今回はそのいじめ問題こそが度をこしていたのではなかったのか、ということだとは思います。ただいじめもどちらかの視点のみで正しいということはないので、実際は当事者ではないと分からないことだと思いますが。

とりとめもない感想ですが、いずれにしてもOGさんが今回のようにお話をされることはなかったですし、元々OGで活躍している人たちは、この事件には触れずに(触れられないと思いますが)楽しそうなインスタをあげているのを見ると、違和感は感じていました。今回の七海ひろきさんのように、宝塚の問題に向き合っているようす、そしてご自身の考えを公に発信することは、こちらが考えている以上にとても勇気がいることだと思いますが、それでもyoutubeで発信されたことに七海ひろきさんの誠実さを感じました。

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