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宝塚歌劇団有愛きいさん自殺、辛すぎる遺族の声

エンタメ

2023年9月の終わりに自宅マンションからの飛び降りで自らの命を絶ったタカラジェンヌの有愛ありあきいさん。11月10日にその遺族側による代理人弁護士により「宝塚歌劇団における過酷な業務とハラスメントによる劇団員の死亡事件」として記者会見が開かれました。

代理人弁護士は「過重な業務や上級生劇団員のパワハラによって心身の健康を損ない、自殺に至った」と訴え「将来ある女性が命を奪われたことは極めて重大だ」とし、劇団に謝罪と補償を求めました。

以下当日読み上げられたご遺族の声の全文です。

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遺族の訴え 2023年11月10日
娘の笑顔が大好きでした。

その笑顔に私たちは癒やされ、励まされ、幸せをもらってきました。  

けれど、その笑顔は日に日に無くなっていき、あの日、変わり果てた姿となり二度と見ることができなくなってしまいました。
くりくり動く大きな瞳も、柔らかい頬も、いとおしい声も、何もかも私たちから奪われてしまいました。  

「どんなつらいことがあっても舞台に立っている時は忘れられる」と娘は言っていました。けれど、それを上回るつらさは、忘れられる量をはるかに超えていました。
宝塚歌劇団に入ったこと、何より、宙組に配属されたことがこの結果を招いたのです。

本当なら、今年の夏に退団する予定でしたが、突然の同期2人の退団の意向を知り、新人公演の長としての責任感から、来春に延期せざるを得なくなりました。
それは、娘自身のためではなく、自分が辞めたら1人になってしまう同期のため、そして下級生のためでした。

あの時「自分のことだけを考えなさい」と強く言って辞めさせるべきでした。
なぜそう言ってやらなかったのか、どれだけ後悔してもしきれません。  

大劇場公演のお稽古が始まった8月半ば以降、娘の笑顔は日ごとに減ってつらく苦しそうな表情に変わっていきました。
それは、新人公演の責任者として押し付けられた膨大な仕事量により睡眠時間も取れず、その上、日に日に指導などという言葉は当てはまらない、強烈なパワハラを上級生から受けていたからです。
その時の娘の疲れ果てた姿が脳裏から離れません。そばにいたのにもかかわらず、切羽詰まっていた娘を救えなかったというやりきれない思いに苛(さいな)まれ続けています。  
劇団は、娘が何度も何度も真実を訴え、助けを求めたにもかかわらず、それを無視し捏造(ねつぞう)隠蔽(いんぺい)を繰り返しました。
 

心身共に疲れ果てた様子の娘に何度も「そんな所へ行かなくていい、もう辞めたらいい」と止めましたが、娘は「そんなことをしたら上級生に何を言われるか、何をされるか分からない、そんなことをしたらもう怖くて劇団には一生行けない」と涙を流しながら必死に訴えてきました。  

25歳の若さで、生きる道を閉ざされ、奪われてしまった娘の苦しみ、そして、あの日どんな思いで劇団を後にしたのかと考えると、胸が張り裂けそうです。  

私たちは、声を上げることもできず、ひたすら耐え、堪え、頑張り続けてきた娘に代わって、常軌を逸した長時間労働により、娘を極度の過労状態に置きながら、これを見て見ぬふりをしてきた劇団が、その責任を認め謝罪すること、そして指導などという言葉では言い逃れできないパワハラを行った上級生が、その責任を認め謝罪することを求めます。
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このご遺族からの声に涙が止まりません。

もともと今回の事件も「文春砲」などと言われ、事実無根のことを文春が大きく書き連ねているという見方も多くありました。今回の自死については、一部のコメントでは、有愛きいさんが問題のある下級生の指導に手をやいていて、そのことを隠したかった下級生が先に「上級生悪い」と仕立てるように文春にリークをし、文春は事実確認をしないまま、そのことをさらに大げさに記事にした、そもそも文春が、天彩峰里あまいろみねりさんによるヘアアイロンのやけど事件さえ記事にしなければ、有愛ありあきいさんは今ごろ何ごともなく劇団にいた、という内容もありました。

外部から見ている限り何が真実なのかはわかりませんが、今回のご遺族のコメントを見る限り、劇団側が隠蔽してきたことは明らかで、上級生のリンチも日常的にあったということです。

宝塚は96期裁判問題や、昔からいじめや嫌がらせは横行している、といったことはたびたび目にし、「宙組だけに問題があるわけではない」といった見方もありましたが、今回のご遺族のコメント「宙組に配属されたことがこの結果を招いた」とあるようにやはり宙組内の問題が大きかったということです。

ご家族は、双子の妹で雪組に配属されている一禾いちかあおさんからももちろん話は聞いているでしょうし、一禾いちかあおさん本人も、姉の有愛きいが宙組にさえいっていなければ、いじめやリンチによりこのようなことは起こっていなった、と思っているということです。

今回のご遺族のコメントをみて、宙組の芹香斗亜せりかとあさんや組長松風輝まつかぜあきらさん、天彩峰里あまいろみねりさん、ほか上級生たちはどう感じているのでしょうか。芹香斗亜せりかとあさんのその後の言動については、こちらの記事のとおりです。→事件後の芹香斗亜と組長松風輝の驚くべき発言

宙組の宝塚大劇場はその後の公演はすべて休演となっています。2023年11月23日からは東京宝塚劇場がスタート予定ですが、このようなご遺族の声をきいても、なかったことのようにして舞台を続けようとするのでしょうか。今度こそ劇団と上級生たちによる真摯な対応を期待したいです。

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